新判例 被害者側の過失
A運転の自動二輪車とパトカーとが衝突し、
自動二輪車に同乗していたBが死亡した交通事故につき、
Bの相続人である被上告人らが、パトカーの運行供用者である上告人に対し、
自動車損害賠償保障法3条に基づく損害賠償を請求する事案。
ちなみにABは暴走族の仲間同士です。
自動二輪車に同乗していたBが死亡した交通事故につき、
Bの相続人である被上告人らが、パトカーの運行供用者である上告人に対し、
自動車損害賠償保障法3条に基づく損害賠償を請求する事案。
ちなみにABは暴走族の仲間同士です。
以上のような事案につき、
最高裁(平成20年7月4日判決)は、
Bの損害賠償請求につき、Aの過失を斟酌するという
判断を下しました。
いわゆる被害者側の過失の法理を
「身分上生活関係上一体(幼児の監督者である父母等)」の場合と
「財布が一つ(夫婦等)」の場合以外に
認めてきましたが、
上記のような類型も加えたものといえます。
▼ 判例をチェック
(抜粋)
以上のような本件運転行為に至る経過や本件運転行為の態様からすれば,
本件運転行為は,BとAが共同して行っていた暴走行為から独立したAの単独行為とみることはできず,
上記共同暴走行為の一環を成すものというべきである。
したがって,上告人との関係で民法722条2項の過失相殺をするに当たっては,
公平の見地に照らし,
本件運転行為におけるAの過失もBの過失として考慮することができると解すべきである。
※記事が書かれた時点の法令や判例を前提としています。法令の改廃や判例の変更等により結論が変わる可能性がありますので、実際の事件においては、その都度弁護士にご相談を下さい。