愛知・名古屋の弁護士。片岡法律事務所

お問い合せ電話番号 052-231-1706

法律相談に関するお問い合せ ご相談フォーム

KATAOKA LAW OFFICE 30年の実績で信頼にお応えします

よくある質問

取引紛争・契約書の作成

建設業法を利用した債権回収

建設業法を利用した債権回収

 建設業を営む会社の社長さんが,法律事務所を訪れました。

 

(相談内容)

 うちの会社は,大手建設会社の下請建設会社Y社から多数の孫請工事を請け負ってきます。今は,トラブルのため,Y社からの受注を断っている状況です。

 Y社は,最初こそ工事の発注書を発行しますが,追加変更工事が発生しても,一切発注書を発行してくれませんでした。

 しかも発注書の金額は,こちらが見積もった金額を理由無く3割カットした金額であり,これでは利益は1円も出ないばかりか,むしろ赤字となります。

担当者は,あとできちんと埋め合わせをするから安心しろ,これが正式な代金額ではない,と再三説明しますが,何度も請求書を送っているのに請求書記載の金額の半分すら支払わないので,全く信用できません。

工事が完了してから3か月経過しても待ってくれと言うばかりで一向に支払をしてくれません。

 請求額も500万円を超えています。一体,どうしたらいいでしょうか。

 

建設業法による保護

 

弁護士 Y社は,建設業法を完全に無視しているようです。

 

社長 法律違反をしているんですか。ひどいとは言っても,違法行為をされているとまでは思っていませんでした。

 

弁護士 建設業法では,各種の下請保護のルールが定められています。

①見積条件を提示すること(20条3項)

下請人に見積をさせる場合には,工事内容を具体的に提示しなければならないし,必要な見積期間を確保しなければなりません。

②書面による契約締結(18条,19条1項2項,19条の3)

下請工事の着工前に,建設業法所定の事項を記載した書面で契約を締結する必要があります。契約書の形でなくとも,工事代金等を記載した書面の取り交わしが求められます。

 

社長 ②はびっくりしました。我々は,よっぽど大手の仕事以外は,契約書など作ったことが無いからです。口頭でやったり,簡単な注文書1本だけだったりします。

 

弁護士 法律上は違法だということです。慣習は言い訳になりません。次のような保護規定もあります。

③不当に低い請負代金禁止(19条の3)

元請負人が,取引上の地位を不当に利用して,通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金とする契約を締結することは禁止されています。

 

社長 相手方が発注書でこちらの見積を3割カットした金額を記載していても,原価に満たない場合は,違法ということですね。

 

弁護士 そうです。

④指値発注の禁止(18条,19条1項,19条の3,20条3項)

また,元請負人が,一方的に決めた金額で下請契約を締結させることは禁止されています。御社のケースでは,これにも該当する可能性があります。

⑤やりなおし工事の下請負人負担の禁止(18条,19条2項,19条の3)

なお,下請負人の非が無く工事がやりなおしになってしまった場合,下請負人にやりなおし分の費用の負担させてはいけません。

⑥支払留保の禁止(24条の3,24条の5)

元請負人の完成確認検査及び引渡が終了したのに,下請代金を支払わないことは違法です。

 

社長 なるほど。⑥の違反は明らかです。今後,どういう対処が可能ですか。

 

建設業法違反の効果

弁護士 実は,建設業法に違反しているから直ちにY社から適切な代金が払ってもらえるというものではありません。本来は,裁判で訴えて判決をとるという通常訴訟の手続をとる必要があります。

ただ,普通の債権回収と異なるのは,行政の力を借りることができるということです。

 

社長 どういうことでしょうか?

 

弁護士 具体的には,建設業違反を県に申告し,県から相手先に調査をしてもらい,指導・助言・勧告をしてもらうことができます。これが相手先への圧力となります。

 

社長 なるほど,こういうことを通して,債権回収を促すということですか。

 

弁護士 建設業法違反によっては,公共事業の指名停止処分を受けるものもありますので,相手先が公共事業をしているようなケースでは効果があります。また,場合によっては,独占禁止法違反にもあたるということで公正取引委員会から勧告等の処分を引き出すことも可能かもしれません。

 

社長 債権回収は半分諦めていましたが,頑張ってみようと思います。

 

どうしても払わない場合

弁護士 そうですね。もちろん,これらの手続で相手が支払に応じなければ,最終的には裁判しかありません。ただ,今回のようにちゃんと値段がはっきりしない工事の代金については,争いになりそうですので,Y社の幹部・担当者と話をする機会をもうけ,代金額についての相手方の言い分を録音する等して証拠保全に努めるべきです。

 

社長 分かりました。早速とりかかります。

 

 

建設業以外でも,下請業務については様々な保護法があります。したがって,これらの保護規定を有効活用すれば債権回収につなげることができるかもしれません。


破産から保証金を守る

破産から保証金を守る

 

顧問会社で商社のX社の総務課課長さんが弁護士の下を訪れました。

 我が社は,準ゼネコンのY社から,Y社所有のビルの3階を借りて,名古屋支店を置いています(賃料月30万円)。

 この度,Y社が破産するという弁護士からの通知がありました。

 たまたま,我が社は,通知があった半年後にこのビルを退去することになっていたのですが,保証金を300万円ほどいれています。

 保証金は戻ってくるのでしょうか。

 また,保証金が戻ってこないとすると,半年間の賃料を払うのもバカバカしいのですが,何とかならないのでしょうか。

 

3つのシナリオ 

弁護士 今回の保証金の話ですが,場合を分けてご説明する必要があります。

①最悪のシナリオ~退去前にビルが売れず,かつ何らの法的な対処もしない場合です。

②最善のシナリオ~退去前にビルが売れた場合です。

③次善のシナリオ~退去前にビルが売れなくとも,法的な対処をすることで①を避ける場合です。

 

①最悪のシナリオ

弁護士 まず,何もせず,しかも,ビルが第三者に任意売却されることもなく,御社がビルを退去することになった場合,御社の保証金は殆ど戻ってこなくなります。

 

課長 破産の通知が来ても誠実に家賃を払っている我々にとっては,あまりにむごい仕打ちではありませんか?

 

弁護士 そうですよね。しかし,保証金返還請求権を特別扱いしたら,他の債権者からはどうして?と疑問が出るでしょうね。

 

課長 なるほど。他の債権者も低い配当となるのですからしょうがない,ということですか。

 

②最善のシナリオ~棚からボタ餅

弁護士 しかし,運良く御社が退去する前にビルが任意売却されると,保証金は全額戻ってくることになります。

 

課長 え!どういうことですか?

 

弁護士 実は,保証金返還請求権は,賃貸借契約にお供をする権利なのです。したがって,御社の退去前にビルが任意売却されると,買った第三者に御社との賃貸借契約が引き継がれますが,保証金返還請求権もこれにお供して引き継がれますから,その第三者が払う必要が出てきます

 

弁護士 賃借人の立場で言ったら当然のことですよね。保証金が新しいオーナーに引き継がれないとしたら,賃借人の関係の無いところで,保証金を回収できなくなってしまいますから。他方,新オーナーは,買うときに,いくら保証金を返せばいいか,預かっている保証金額を旧オーナーに尋ねることができますから,不合理ではありません。

 

課長 なるほど。でも,我が社が退去した後に売れた場合には引き継がれない,というのも変な話ですね。

 

弁護士 あくまで賃貸借契約にお供する,ということからすると,賃貸借契約が終わってしまうと,お供しなくなるわけですね。

 

弁護士 いずれにせよ,第三者が御社の退去前にビルを買ってくれれば,御社の損失はゼロです。

 

課長 しかし,それでは運任せになりますよね。

 

弁護士 そこで,③の話をさせて頂きます。

 

③次善のシナリオ~寄託請求

 

弁護士 ①で述べましたように,御社が何も手を打たずに,放置しておくと,賃料は退去までしっかり払わされるわ,保証金は殆ど戻ってこないわ,ひどい結果となります。そこで,「寄託請求」をして頂くと良いです。

 

課長 一体何ですか?

 

弁護士 要するに,「これから納める賃料を預かっておいて下さいね。退去するときに,保証金額を上限として,納めた賃料分を返してもらいますよ。」という制度です。破産法70条に規定されています。

 

課長 我が社のケースでは,保証金全額は戻ってこないとしても,これから払う30万円の賃料の半年分を確実に返してもらえる,ということでしょうか。

 

弁護士 その通りです。寄託請求の理屈を簡単に説明しましょう。賃貸借契約が終わり,借りていたものを返す際,未払賃料があったら保証金に当然に充当されます。寄託請求をすると,寄託された賃料は毎月の賃料に充当されなかったことになります。寄託請求しておかないと,毎月払うお金は毎月の賃料に充てられたことになり,保証金から差し引くべき未払賃料が存在しないことになります。

 

課長 難しいですが,何となくは理解できました。いずれにしても,知らないと大損になるところでした。

 

弁護士 寄託請求をする賃借人は,ほぼ皆無に近いです。ご相談頂いて本当に良かったです。

 

 


放置車両の撤去法

私は,一般の方に駐車場を貸しています。

賃借人のYは,車を置いたまま,行方不明になってしまい,1年が経過しています。

賃料の支払いも当然滞っています。

Yに連絡をとろうにも,携帯電話や自宅電話は通じません。

車を撤去したり,未払賃料を払ってもらうためには,どのようにしたらいいのでしょうか。

 

 

1 結論

 その1 Yに対して訴訟を提起することができます。弁護士を通じて交渉することもできます。

 その2 車が所有権留保されているならば,所有者名義人に対して,車両の撤去及び未払賃料の支払いを請求するべく,訴訟提起する余地があります。

 

 

2 理由

 その1は,張本人であるYに対する請求です。

 問題は,Yをどのように見つけ出すかですが,Yの住民票が移っている場合には,弁護士ならば,移転先の住民票を取り寄せることができます。住民票によって,移転先のYの所在を確認し,Yと交渉したり,訴訟提起することが可能となります。

 住民票によってもYの移転先が不明な場合は,公示送達等の手段で訴訟を提起することが可能です。もっとも,この場合,Yの資力はあてにできませんので,撤去費用や未払賃料の回収は事実上不可能になります。

 

 

 その2は,車検証上,オートローン会社が所有権者として名を連ねているような場合です。

張本人のYが相手ではないので,一定の条件を満たす必要があります。

大まかに言うと,オートローンの残債務全額の弁済期が到来している場合は,撤去義務等をオートローン会社が負担します。

 

 

3 判例

最高裁平成210310判決は,「動産の購入代金を立替払した者が,立替金債務の担保として当該動産の所有権を留保する場合において,買主との契約上,期限の利益喪失による残債務全額の弁済期の到来前は当該動産を占有,使用する権原を有せず,その経過後は買主から当該動産の引渡しを受け,これを売却してその代金を残債務の弁済に充当することができるとされているときは,所有権を留保した者は,第三者の土地上に存在してその土地所有権の行使を妨害している当該動産について,上記弁済期が到来するまでは,特段の事情がない限り,撤去義務や不法行為責任を負うことはないが,上記弁済期が経過した後は,留保された所有権が担保権の性質を有するからといって撤去義務や不法行為責任を免れることはない。」と判示しています。

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=37405&hanreiKbn=01

つまり,オートローン会社も巻き込むことができる,という判例です。

 

以上

 


倒産の前に登記をしておくように

私は、古くからの友人から自宅の土地・建物を買ってほしいと言われて、代金を渡しましたが、登記を移転させずに放置していました。今般、その友人が破産をし、破産管財人から、私が買った土地・建物は、破産管財人が換価するから、あなたのものではない、と言われましたが、そんな横暴な話があるのでしょうか?破産管財人と言っても、友人の代理人みたいなものではないですか?

 

1 結論

  あなたは、破産管財人に対して、不動産の所有者であることを対抗できません(民法177条)。したがって、破産管財人に土地・建物を引き渡す必要があります。

 

2 理由

  破産管財人は、破産者の地位をそのまま引き継いだものではなく、破産債権者の利益のために独立の地位を与えられた破産財団の管理機関にあたりますから、破産手続開始決定前に対抗要件(登記)を備えないと、破産管財人に対抗できません。

  登記は代金支払時にすぐに移転しておいてもらわなければならないのです。

 

3 判例

  最高裁昭和48年2月16日判決では、土地賃貸借契約について対抗要件を備えていなかったケースで、土地を借りていた方を敗訴させました。


※ 民事再生について
 ちなみに、上記友人が、民事再生手続を開始した場合も、当該友人(再生債務者といいます。)に対抗できなくなる、という判例が近時、大阪地裁で出されました(大阪地裁平成20年10月31日判決)。
 控訴されていますので、今後結論がどうなるかは不明ですが、破産と同様の結論になると思われます。破産よりも釈然としないと思われるでしょうが、登記は備えておくものだと肝に銘じておくべきでしょう。

 

賃貸借の償却規定って有効ですか?

(賃貸借における償却規定の有効性)

私は、建物を借りてクリーニング店を営んでいますが、別の場所に移転します。今の建物を返すにあたり、大家さんは、契約書にある償却規定にもとづいて、2か月分の賃料相当額を保証金から償却すると言われています。こういう償却規定は有効なんでしょうか。

 

1 結論

 償却規定は有効です。

 

2 理由

 保証金の償却は、賃借人の使用による設備の償却費を一部賃借人に負担してもらうという趣旨で取り決められています。

 これ自体に、合理性が認められないというわけではありません。

 賃借人が消費者である場合には、別途消費者契約法上の救済措置があるかもしれませんが、事業者の場合は、厳しいというのが実際です。

 

2 判例

①東京地方裁判所判決/平成15年(ワ)第22201号、平成16年(ワ)第18783号

②東京地方裁判所平成18年(ワ)第4215号、平成18年(ワ)第10284号精算金請求事件平成19年4月13日

 

いずれの判例も、保証金乃至敷金の償却規定を有効と判断しています。

 

老朽建物の賃貸借契約を解約したい

私は、親から相続した築50年の長屋式住居を賃貸しています。老朽化した長屋式住居から借家人に出て行ってもらい、新しい賃貸物件を建築したいのですが、どうしたら良いですか。

 

賃貸家屋が朽廃し、およそ建物としての効用を失っている場合には、建物賃貸借契約が終了し、借家人に出て行ってもらうことができます。

 しかし、朽廃まで至らないけれども、保安上危険がある程度に老朽化した建物の場合は、問題があります。

 

 家主側の解約申出は、旧借家法1条の2の「正当事由」がある場合にはじめて有効となります。

 したがいまして、特に家主側に敷地利用の差し迫った事情が無い限り、借家人に立退料を支払う必要があります。

 立退料の金額は、一概には決められませんが、環境によっては、100万円~200万円程度になる場合もあるようです。

 

 立退料を払いたくない方は、粘り強く交渉し、代替家屋を提供したり、新しく築造する建物への入居を認めたりして、借家人と円満な解決を結ぶべきでしょう。

 

 

 

株券電子化とは?

 

Aさんは、龍神商事の代表取締役ですが、龍神商事の顧問弁護士のところに相談に来たついでに、以前から気になっていた株券の電子化について質問しました。以下は、そのやりとりです。

 

 施行日は来年1月5日 

 

A 最近、株券が電子化されるというCMがたくさん流れているけど、株券が電子化されるのはいつですか?

 

弁 株券の電子化は、200915に一斉にされます。

 

A 私は会社経営をしているけど、我が社の株も電子化されるってことですか?

 

弁 御社が上場していなければ、電子化されないですよ。電子化されるのは上場株式だけなので誤解しないでください。

 

A で、電子化で何が起こるんですか?

 

弁 極端なことを申し上げれば、電子化によって、お手元の株券が紙切れになってしまいます。

 

A 今まで、殆どの株券を証券会社に預けていたんだけど、もしかしてそれが無価値になってしまうんですかね?

 

弁 たしかに株券は無価値になりますが、株式が消滅するわけではありません。株券預託先の証券会社がそのまま「口座管理機関」になり、あなたのために「一般口座」が開設されます。「一般口座」の株式は、従前通り売買が可能です。殆ど取り扱いの変更はございませんので、ご安心ください。

 

 タンス株にご注意 

 

A ほう、すると、証券会社に預けてある株券は問題ないってわけですね。じゃあ、昔買った株で家の金庫にしまっている株券は問題がありそうですね?

 

弁 いわゆるタンス株(証券会社に預託していない株式)については、株主名簿管理人とされている信託銀行等において、あなた名義の「特別口座」が開設されます。

 

A なんだ!自分で作らなくても口座が開設されるんだったらその方が楽でいいですね。

 

弁 そううまい話ばかりではありませんよ。この「特別口座」の株式は、「特別口座」に入れたままでは売買できません。

売買するためには、いったん証券会社で「一般口座」を開設していただいて、「特別口座」から「一般口座」に株式を振り替える必要があるんです。

特別口座から一般口座に振り替えるのには数日かかりますから、素早く売買できません。株主にとっては不利益ですよ。

 

 分かりやすく図を書いてみましょう。

勝手にできる   自分で作る

自分の特別口座 → 自分の一般口座 → 却 

 

A ふーん。それじゃあ、タンス株のままだと売りたいタイミングで売れないってことなんですか?

 

弁 そうなんです。ですから、極力今のうちにタンス株を証券会社に持って行って口座を作っておいた方がいいですよ。

今巷に流れているCMは、そういったことを勧めているんです。

言い忘れましたが、手続の都合で、「特別口座」の株式は、株券電子化から約5週間、取引所市場にて売却できない期間が発生するとの話です。

又、多くの証券会社は、株券の預託期限を平成2011月末から12月中旬限りとしていますので、株券預託はお早めに。

 

A いずれにしても、長期間売買できないというのは困る。早速、株券を証券会社に預けることにしよう。

 

 他人名義のままだと危険 

 

A そういえば、先月、資金繰りが悪くなった取引先からトヨダ株を買ってくれと言われて株券を時価で買ったんだが、株券を持っているだけで満足して、株主名簿の書換なんかしないまま放置しているだが、まずいでしょうか?

 

弁 まずいですね。会社の株主名簿には取引先の名義が記載されているので、取引先の名義で「特別口座」が開設されてしまいますよ。

取引先が、株式を自分のものとして売却してしまうことも可能です。そんなことはしないと信じたいですが。

 

A じゃあ、株主名簿の書換を早速しようか。いやむしろ、証券会社に口座を作って登録しておくべきだね?

 

弁 その通りです。そうした方が手間がかからず、良いでしょう。

なお、電子化後の特別救済措置として、電子化から1年間、株券の呈示と電子化前の株式取得を裏付ける証拠(たとえば契約書)を提出すれば、前の名義人の協力がなくても自己名義の特別口座へ振り替えてもらえることができます。

しかし、1年を超えてしまうと、①名義人と共同で振替請求したり、②判決をとったり、③名義人の利益を害さない旨の証明をしたりしないといけないなど、大変厄介なことになります。

 

A ま、そんな大事にならないように、事前に手続はとっておきますよ。

 

 株券を担保にしている場合 

 

A 最後に、取引先が支払いを滞らせていたので、取引先が持っている株券を質としてもらっているんだが、それは、どうなるんですか?

 

弁 株券の電子化により、お持ちの株券は紙切れになってしまいます。ですから、株式質についても「株券の占有」を失うことになるので、第三者対抗要件(他の債権者らに対して自らが質権者であることを対抗することができる力と理解してください。)が失われてしまいます。

  きちんと手をうっておかないとその取引先が電子化後、事情を知らない第三者に質権を設定させてしまうこともあり得るのです。

 

A いやー、株券の電子化って気をつけていないと損するかもしれないんですね。勉強になりました。ありがとうございます。

 

外国人から不動産を購入する場合の注意点

外国人から不動産購入には本人確認の問題や税務上の問題が
あることを認識する必要があります。


外国人による日本の不動産に対する投資が
ブームになっていますが、
外国人も高値で売り抜けようとして売却をする場面が増えることが予想されます。


外国人などの海外居住者や海外法人から不動産を購入する場合、
まず、本人確認と登記のための必要書類を確実に取り付けるようにしなければなりません。

次に、
買主側には、源泉徴収義務(売買代金の10%)があることを
忘れないようにしなければなりません。


すなわち、海外居住者や外国法人が日本国内の不動産を譲渡した場合
買主はその譲渡代金の10%を売主に渡さないで、
源泉徴収して翌月10日までに税務署に納付する義務があります。

この源泉徴収の義務は購入者側にあります。
この時、源泉徴収を忘れると後から追徴されることになりますので、
それを売主から取り返す必要が出てきます。

今後このようなトラブルが多発することも予想されますので、
十分な注意が必要です。

なお、海外居住者とは外国人とは限りません。
日本人で海外に1年以上の長期勤務をしている人の場合も該当します。

但し、個人が居住用に譲り受けた1億円以下の土地建物については
源泉徴収する必要はありません。
                                            

不動産の売却先を業者に探してもらう時は!

保有不動産を売却する時には、
不動産業者との間で「媒介契約」を締結します。


「媒介契約」とは、簡単に言えば、
不動産を購入する客を捜してきて売買契約が成立するよう
仲介する契約を言います。


一般に、不動産の媒介契約には、3種類あります。
専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約
いずれかを依頼者が選択することができます。


①専属専任媒介契約
 特定の不動産業者に仲介を依頼し、
 他の不動産業者に重ねて依頼することができない契約です。
 依頼者は、自分で購入希望者を見つけることはできません
②専任媒介契約
 ①とほぼ同じですが、
 自分で購入希望者を見つけることはできます。
③一般媒介契約
 複数の不動産業者に重ねて仲介を依頼でき
 自分で購入希望者を見つけることもできます。


①に行くほど不動産業者が真剣に購入者を見つけてくれるイメージでしょうか。

逆に①に行くほど依頼者の拘束は大きく
安易に解除できなくなるわけです。

(不動産業者の方の豆知識)
なお、媒介契約締結の際には、
消費者保護の点から
国土交通省は、住宅宅地審議会の答申をふまえ
「標準媒介契約約款」を作成し、告示しています。
宅地建物取引業者が媒介契約書を作成する場合においては、
宅地建物取引業法施行規則第15条の7第4号により、
「標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別」を
契約書に記載しなければならないことになっています。

宅地建物取引業者が媒介契約書を作成する場合に
「標準媒介契約約款」を使用しないことも可能です。
→契約をチェックする必要があります。

契約書類の重要性


今までの苦労が実って、
大企業に商品を納めることができるようになりました。
その企業からは、取引基本契約書が渡され、
まずは契約書にサインしてほしいと言われました。
大企業ですから、問題ないと思って
余り条項を読まないでサインしてしまいましたが、
ちょっと不安です。大丈夫でしょうか?


大企業だから、大丈夫、というのは
必ずしも正しくはありません。
むしろ、大企業は様々なリスクにさらされていますから、
一般企業よりも契約条項にはシビアです。


分かりやすい例でいうと、裁判管轄です。
相手方企業の本社を管轄する裁判所になっているのではないでしょうか?
裁判になると、
遠隔地まで出向く費用がかかります。


共同開発で発明をした場合の、
特許権や実用新案権の帰属はどうなっているでしょうか?


自社の技術の核心部分を守る
営業秘密は、大企業側による無断利用から守られていますか?


よくよく読むと
自社に不利益且つ不公平な条項が盛り込まれています。


多くが紛争になった後で私達弁護士の下に持ち込まれますが、
後の祭りということも多いです。


ただの言葉に過ぎませんが、
その言葉が数千万円の不利益を産むとしたら
悔やんでも悔やみきれません。


契約締結に際しては、
特に金額の大きな契約の場合は、
専門家の助言を得るのが、大きな節約となります。

お金を貸すときにはご注意~期限の利益喪失約款

 友人に100万円貸しました。私に月々5万円ずつ返していくという約束をし、契約書まで作成しました。契約書には、平成20年3月から各月15日までに5万円ずつ100万円を返済するとだけ書いてありました。
 その後、友人は、最初の返済日である2月15日から返済を怠り、知らん顔をしています。
 約束が違うので、友人に対して、すぐに100万円全額を返済してもらいたいと思っていますが、このような請求はできるでしょうか。


 契約書には、毎月15日までに5万円ずつ返済されれば良い、と定めていますから、1回目から支払を怠っても、友人に対して、月々5万円ずつしか請求できません。これを「期限の利益」と言います。100万円を支払う義務があるのだけれど、それを先延ばしにしてもらえれば債務者にとって利益です。それで「期限の利益」というのです。
 この事案では、裁判に訴えても、月々5万円ずつ支払えという判決しかもらえません。
 では、どういう対応をすればよかったのでしょう?
対応その1
 そもそも、契約書に分割払いの条項を書かなければ問題は発生しませんでした。
 事実上、友人に分割払いをしてもらって、契約書に書かなければいいのです。
対応その2
 友人が分割払いの条項を入れて欲しいと強く言った場合は、期限の利益喪失条項というものを入れておけば良いです。
 この条項は、例えば、「2回以上、支払が期限を徒過するようなことがあれば、残金を一括して支払う。」といった条項です。
 こういった条項を契約書に盛り込んでおけば、支払を怠った友人に対してすぐに残金100万円を返してくれと請求できたのです。
 市販の契約書式などには何気なく載っている条項ですが、非常に大事です。お金を貸す時は、必ず入れるようにして下さい。
 なお、保証人を沢山つけることも大事です。会社に金を貸すなら代表者、親族を保証人にすることを忘れないようにして下さい。 

いきなり取引を中止されてしまった

随分昔に取引基本契約書を締結し、長年製品を納めてきた会社が、突然、私の会社との取引を中止すると一方的に通知してきました。一体、どうしたらいいのでしょうか?


 まずは、なぜ取引を中止されたか確認する必要があります。
 中止の理由がない、または理由として正当とは思えない場合には、突然の中止は不当であり、中止を決めた会社に対して、損害賠償請求ができる可能性もあります。また、弁護士を通じて取引の継続を交渉してみる余地もあります。
 諦めないで、ご相談して頂きたいと思います。


弁護士の役立つ情報

片岡法律事務所 〒460-0002 愛知県名古屋市丸の内2丁目19番25号 TEL:052-231-1706
Copyright (C) 2008-2010 KATAOKA LAW OFFICE. All Rights Reserved.