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よくある質問

遺言・遺産分割

成年後見人の選任が必要な場合

成年後見人の選任が必要な場合

夫の父が先日亡くなりました。そのため,夫の兄弟間で遺産分割を進めることになったのですが,あいにく夫は精神疾患のため,全く意思能力が無い状態です。

兄弟からは,妻である私が夫の代理で署名・押印してもらえれば良い,と言っていますが,兄弟からは不公平な割合での遺産分割案が提示されていて,私の力では手に余ります。

どうしたら良いですか?

 

1 結論

 まずは,ご主人の成年後見人としてあなたを選任してもらう必要があります。その上で,あなたから弁護士に委任することができます。

 

2 理由

 精神疾患等が理由で全く意思表示ができない場合は,有効な遺産分割を行うことはできません。

仮に,あなたがご主人の代わりに署名・押印しても全くの無効です。

 有効な遺産分割協議を行うためには,まず,意思能力の無い方に代わって法律行為ができる「成年後見人」を選任してもらう必要があります。

 成年後見人には,特にご家族の中でもめているといった事情が無い限りは,親族の方が就任することも可能です。逆に,親族間でもめているような場合には,弁護士などの専門家が就任することになります

 成年後見人選任には必要書類が多数ありますので,専門家や家庭裁判所でお問い合わせ頂けると幸いです。

 成年後見人が選任されれば,その成年後見人が,各種の法律行為を行うことも可能となります。弁護士に依頼することも可能です。

以上

 


相続放棄と生命保険金

 夫が多額の借金を抱えて無くなりました。相続放棄をしたいと思いますが,生命保険金の受取人が,妻である私になっています。相続放棄をすると,生命保険金は受け取れなくなるのでしょうか。また,生命保険金を受け取ってしまうと,相続放棄ができなくなるのでしょうか。教えて下さい。

 

1 結論

 受取人が被相続人以外であるならば,生命保険金を受け取っても,相続放棄には影響がありません。相続放棄後に生命保険金を受け取ることもできます。

 

2 理由

 受取人が,亡くなった方以外の者に指定されている場合,生命保険契約は,第三者のためにする(民法537条)保険契約ということになり,指定された者が固有の権利として生命保険金を受け取ることができます。したがって,相続放棄があっても生命保険金は受け取れます。

 また,生命保険金は相続財産に含まれませんから,生命保険金を受領しても,相続財産を処分したことにはならず,相続放棄が可能です。

 但し,生命保険金の受取人が亡くなった方となっている場合,生命保険金は相続財産となり,これを受け取ると相続放棄ができなくなりますので,ご注意下さい(相続放棄をすると受け取れません。)。

 

3 判例

平成10年12月22日福岡高裁宮崎支部決定では,「本件保険契約では、被保険者の被相続人死亡の場合につき、死亡保険金受取人の指定がされていないところ、保険約款には、死亡保険金を被保険者の法定相続人に支払う旨の条項があるところ、この約款の条項は、被保険者が死亡した場合において被保険者の相続人に保険金を取得させることを定めたものと解すべきであり、右約款に基づき締結された本件保険契約は、保険金受取人を被保険者の相続人と指定した場合と同様、特段の事情のない限り、被保険者死亡の時におけるその相続人たるべき者である抗告人らのための契約であると解するのが相当である(最高裁第2小法廷昭和48年6月29日判決・民集第27巻第6号737頁)。かつ、本件においては、これと解釈を異にすべき特段の事情があると認めるべきものは、記録上窺われないし、抗告人らが本件保険契約による死亡保険金が被相続人のための契約と思い違いをしていても、これが特段の事情となるべきものではない。
 そして、かかる場合の本件保険金請求権は、保険契約の効力が発生した被相続人死亡と同時に、相続人たるべき者である抗告人らの固有財産となり、被保険者である被相続人の相続財産より離脱しているものと解すべきである(最高裁第3小法廷昭和40年2月2日判決・民集第19巻第1号1頁)。
 したがって、抗告人らのした熟慮期間中の本件保険契約に基づく死亡保険金の請求及びその保険金の受領は、抗告人らの固有財産に属する権利行使をして、その保険金を受領したものに過ぎず、被相続人の相続財産の一部を処分した場合ではないから、これら抗告人らの行為が民法921条1号本文に該当しないことは明らかである。」と判示しています。

以上

 


相続人の範囲を知りましょう

親戚の方が亡くなりましたが,その人には,配偶者も子もいません。

また,一人っ子で両親も既に他界しています。

亡くなった本人から見て叔父にあたる人物に相続権はありますか。

また,亡くなった本人から見て従兄弟にあたる人物に相続権はありますか。

 

1 結論

いずれもありません。但し,特別縁故者にあたれば相続財産が取得できる場合もあります。

 

2 理由

 相続人になりうるのは,民法上,配偶者,子(代襲,再代襲相続人を含む),親や祖父母などの直系尊属,兄弟姉妹(代襲相続人を含む)のみです。

 したがって,死亡した本人から見て,叔父さんや従兄弟には相続権がありません。

 但し,特別縁故者という制度があり,申し立てて要件が満たされれば特別な関係にある縁者に相続財産の一部又は全部が分与される場合があります。

 したがって,叔父さんや従兄弟が特別縁故者にあたる場合には,相続財産が取得できることもあります。

以上


共有者同士の使用をめぐる争いについて


(共有者の共有者に対する明け渡し請求)

 Xは,父と父所有の家にただで住んでいました。

父が死亡し,兄弟であるX,Y,Zが相続人となりました。

 遺産分割の話し合いで,この家は,X,Y,Zが3分の1ずつ所有することになり,その旨の登記もしました。

 しかし,XとY,Zの折り合いが悪くなり,Y,Zは,3分の2の持分に基づいて,Xに対し,家の明け渡し請求訴訟を提起しました。

 Xは,家から出なければいけませんか?

 

 

1 結論

 Xは,家の明け渡しに応じる必要はありません。

 

 

2 理由

 X,Y,Zはいずれも家の共有者であり,共有者から家を使用する共有者に対して,明け渡しを求めることはできません。

 その理由は,共有者は,その持分の大小にかかわらず,共有物全体を使用することができるからです(民法249条)。

 Y,Zは,争い方を考える必要があります。

 

 

3 判例

 最高裁判例 昭和410519日は,共有物の持分の価格が過半数をこえる者が共有物を単独で占有する他の共有者に対して共有物の明渡請求をすることができない,と判示しています。

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=02&hanreiNo=28018&hanreiKbn=01(最高裁判例サイト)

以上


相続放棄について教えて下さい

父が多額の債務を負ったまま無くなりました。相続放棄をしたいと思いますが、 具体的には何をしたらいいのですか?


1 相続が開始した場合,相続人は次の三つのうちのいずれかを選択できます。


 単純承認
 相続人が被相続人(亡くなった人)の土地の所有権等の権利や借金等の義務を
 すべて受け継ぐ


 相続放棄 
 相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない


 限定承認
 被相続人の債務がどの程度あるか不明であり,財産が残る可能性もある場合等に,
 相続人が相続によって得た財産の限度で
 被相続人の債務の負担を受け継ぐ

 
 です。


2 相続人が,2の相続放棄又は3の限定承認をするには,
 家庭裁判所にその旨の申述をしなければなりません。


3 相続放棄の申述は,
 自己のために相続の開始があったことを知ったときから
 3か月以内にしなければならないと定められています。


4 相続放棄の申述は、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所
 に申し立ててもらいます。


5 申述に必要な費用
 申述人1人につき収入印紙800円
 連絡用の郵便切手(申立てされる家庭裁判所へ確認してください。)


6 申述に必要な書類
  相続放棄の申述書1通
  申述人の戸籍謄本1通

  被相続人の除籍(戸籍)謄本,住民票の除票各1通

遺留分って何ですか?


私は夫と子供の3人暮らしでしたが、
夫は私達を残して亡くなってしまいました。
夫の遺言書を見つけたので開封したところ、
全ての財産を慈善団体に寄付する、という
内容でした。
私は専業主婦でしたので、
夫の遺産を頼りにせざるを得なかったのですが、
このような遺言だと何も私には何の権利もないのでしょうか?


遺留分とは、子や妻の遺産に対する期待を保護し、
生活を補償する趣旨で設けられた制度です。

貴方とお子さんには遺留分があります。
したがって、他に相続人がいないことを前提としますが、
遺留分減殺請求をして、
貴方とお子さん合わせて遺産の2分の1を取り戻すことが可能です。
一刻も早く遺留分減殺請求権を行使することが必要です。
その具体的方法については、専門家にお尋ねになった方が無難です。


誰が何割相続するのか?


先日、長年連れ添ってきた夫が亡くなりました。
夫と私との間には子供はいません。
夫とは再婚で、以前のことは余り知りませんが、
長年連れ添った私が夫の財産を全て相続できるのでしょうか。


1 まずは遺言を確認
 亡くなられた旦那さんは、遺言を作成していなかったでしょうか?
 まずは、公正証書でも自筆証書でも遺言がないか
 確認してみて下さい。

2 法定相続分
 遺言がない場合、民法が定める順番により、
 遺産相続の内容が決まります。
 
 本件では、貴方との間の子供がいないようですが、
 前妻との子供がある場合、
 子供と貴方とで、1/2ずつ遺産を分けることになります。

 又、子供がいなくても、旦那さんの親が健在の場合、
 2/3を貴方が、1/3を親が遺産を取得します。

 なお、子供も親もいないが、兄弟がいる場合、
 3/4を貴方が、1/4を兄弟が遺産を取得するのです。

 ※但し、代襲相続には注意が必要です。

 子供も親も兄弟もいない場合は、貴方の単独相続になります。

3 確認方法
 相続人の範囲がはっきりしない場合は、
 専門家に依頼して、相続関係図を作成してもらうと良いです。
 戸籍謄本を出生から死亡まで取り寄せ、
 相続人の有無を確認するのです。
 したがいまして、このような確認作業抜きに相続分を結論づけることは
 できないのです。
                                  

自分で遺言書を書くときに気をつけることは・・・

自分で遺言書を作成するときは、次のことを忘れないで下さい。
(自筆証書遺言 民法968条1項)

①全文自署して下さい。
×ワープロで財産目録を作った
×自署した遺言をコピーして、その上に署名・押印した
△添え手は無効となる可能性があります

②作成年月日を書いて下さい。
×1年前の日付を記入
×○月吉日

③署名して下さい

④捺印して下さい(認め印でも良い)
→指印でも良いですが、争いのもとです(死後、対照できない)。

以上が自筆証書遺言の要件です。

なお、間違ったときなどの加除訂正は厳格です。
訂正箇所に印を押し、欄外に○字加入、○字削除と書いた上で、署名する必要があります
(民法968条2項)


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