後遺障害の等級と異議申立て
自動車事故で大きな怪我をした場合,後遺障害がのこることがあります。
たとえば,事故で骨折をして骨が変な付き方をしたため,歩行が困難になったり,腕の曲がる角度が制限されたり,といった場合には,自賠責の調査事務所で後遺障害が認定されることになります(等級は1~14級まであります。)。
上記のように誰が見ても明らかな後遺障害については,後遺障害の等級認定にあまり争いが無いのですが,打撲,捻挫,挫傷といった比較的軽い怪我がなかなか治らず後遺障害がのこる場合もあり,対応に苦慮することがあります。
特に,レントゲンやMRI画像に全然病変が見つからない場合には,いくら被害者が訴えていても,後遺障害が非該当になるケースが多いです。
もっとも,後遺障害非該当となった方から相談を受け,当事務所で異議申立を行ったところ,非該当→14級に変更されたケースもあります。
私の経験では,それらの事案には共通した特徴があります(あくまで経験上のことですので,参考程度に聴いて下さい。)。
①(車同士の場合は)物損被害が大きいこと←事故による衝撃程度が大きいと推測できるからだと思われます。
②痛む箇所について訴えに一貫性があること←ころころと痛い場所が変わったり,痛む場所が増えたりする場合は,不定愁訴ということで信用されないのだと思われます。
③病院にある程度の期間・頻度で通院していること←毎日通院する必要は無いですが,1か月に2,3回程度ですと,少なすぎるでしょう。また,6か月程度は通院しないと後遺障害が認められる可能性は低いです。
上記は最低限必要な条件です。これに加え,私の方でお医者さんと打ち合わせをし(協力してくれない医師も多いですが・・・)必要事項が漏れている場合には後遺障害診断書の記載を加筆して頂くなどして,異議申立をすると変更されることもあります。
①~③を満たす方なら諦めずに異議申立をしてみても良いかもしれません。
投稿日:2013年10月03日 14:09|カテゴリー:交通事故