遺産としてのこされた不動産を譲渡する場合の税金
遺産分割で相続人に公平に財産を分けるためにどうしても不動産を売却しなければならないことがあります。
単純に考えれば,遺産の中の不動産がたとえば2000万円で売れれば,そのまま2000万円分相続財産が増えるからハッピーだということになりますが,ことは単純ではありません。
常に念頭に置かなければならないものとして,不動産譲渡所得税があります。
ご存じのこととは思いますが,不動産を譲渡する際には,不動産譲渡所得税が発生します。
これは,不動産を取得したときの価格よりも高い金額で不動産を売却した場合に,その差額分の約2割が税金になるというものです。
たとえば,1000万円で取得した土地が2000万円で売却した場合に差額の1000万円の2割の200万円が税金となります(正確なものではありませんので,ご了承ください。)。なお,マイナスの場合は税金はゼロです。
問題は,相続の対象となる土地が一体いくらで取得されたのか不明な場合です(ご高齢の方の相続の場合,分からないことが多いです。)。
こういった場合,もし取得価格が分からなければ,売却価格の5%で取得したものとみなされて課税がされます。
たとえば2000万円の不動産を売却した場合は,2000万円の5%である100万円で取得したものとして,差額の1900万円が課税の対象額となり,その2割である380万円が不動産譲渡所得税となります。
昭和の初期に購入した不動産ならともかく(不動産の価格も安いでしょう),ここ十数年で取得された不動産ならば,是が非でも取得した際の資料(売買契約書等)を探し出す必要があります。
なお,遺産分割のために不動産譲渡がされる場合には,申告期限から3年以内であれば,譲渡所得税を減額できる特例がありますので,もめごとは3年以内としたいものですね。
投稿日:2013年12月26日 12:36|カテゴリー:相続