会社の負債と連帯保証
安易に連帯保証人になることがどれだけ怖いことかは,皆さんよくご承知だと思います。
もっとも,銀行から会社が事業資金を借りる場合には,必ず代表者が連帯保証人となるよう求められるので,この場合は連帯保証人になることを避けることはできません。
問題は,代表者が会社を退いた場合です。
代表者が会社を退くと,代表者は当然に連帯保証を免れるでしょうか。
たしかに,退任した代表者は会社の経営を行うことができませんから,会社債務を全額連帯保証させるのは酷なことかもしれません。
しかし,連帯保証契約は,銀行と代表者個人とが締結した契約なので,代表者個人の一方的都合で連帯保証契約が無効になることは不当です。
したがって,代表者が会社を退いても,代表者は連帯保証人のままであるというのが原則です。
もちろん,銀行としては,新しい代表者を連帯保証人としたいのが一般的ですから,連帯保証人の変更に応じることがあります(あくまで連帯保証人変更が銀行の義務になる訳ではありません。)。
よって,代表者を退任される方は,ただちに連帯保証人変更協議を銀行側と行う必要があります。
以前,息子に譲り渡した会社が債務超過になって倒産するときに,父親も一緒に倒産手続をとらざるを得なかった,という事案がありました。
このような共倒れは絶対に回避したいものです。