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名古屋の弁護士ブログ(片岡法律事務所)

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経験豊富な弁護士が、法律情報や、時の法律問題、中国情報などを易しい言葉でコメントします。

成年後見制度はどういう場合に使われていますか

成年後見制度はどういう場合に使われているのでしょうか。その実情を簡単にご説明します。

  1. 増えてきた成年後見制度の利用
     近年,成年後見の申立てに関する相談が増加しています。
     成年後見の相談をされる方が増えたのは,高齢化社会が進んで,認知症のお年寄りが増加したことが背景だろうと思います。
     認知症のお年寄りが当事者として各種契約するためには成年後見人が不可欠です。
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  2. 相続紛争の前哨戦
     今も昔も,認知症のお年寄りはいましたが,現在ほど成年後見制度が活用されてはいませんでした。
     以前はコンプライアンスの意識が低かったので,意思能力に多少問題があっても契約を結ぶのに関係者もそれほど気にしていなかった傾向がありました。
     コンプライアンスが重視されるようになった昨今では,きちんと後見人をつけるべきという考えが浸透していると言えます。

     また,現在,成年後見制度がよく利用される例としては,お年寄りの財産確保のケースがあります。
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     たとえば,認知症の親を介護するため同居している子供と,そうでない子供とがいて,親の財産の管理方法を深刻な対立が生じたとします。
     親と同居していない子供は,親の財産管理から遠ざけられ,事実上手出しできません。
     そこで,同居していない子供が成年後見人の選任を申立てることで,親の財産の管理権限を第三者(弁護士等)に移管するのです。
     これによって,同居している子供が勝手にお金を使うことはできなくなります。

     同居していない子供にとっては,後見人の費用だけ遺産は減りますが,不正支出がされるリスクが無くなるわけです。

     このように成年後見制度は,相続紛争の前哨戦(財産保全)として利用されているのです。

  3. 成年後見人を選任しなかった場合
     ここで,あれ?と疑問に思われるかもしれません。
     たとえ成年後見人をつけなくても,不正支出があった場合には,相続開始後に同居している子供に責任追及ができるのではないか?と。

     しかし,不正支出かどうかは,証拠上分からないことがあります
     また,相続財産のほとんどを費消されてしまったら,あとで相手方から取り返すのは手続上困難を伴います

     結局,不正支出を事前に止める方が手間が少ないことが多いです。

投稿日:2014年6月03日 07:02|カテゴリー:弁護士の役立つ情報, 最近の法律問題, 相続

証人尋問まで至ることは少ない

 堺雅人主演のテレビドラマ「リーガルハイ」「リーガルハイ2」はご覧になられたでしょうか。

 こういったテレビドラマのイメージから,弁護士=法廷での証人尋問が主要なお仕事,と思ってみえる方も多いかもしれません。

 しかし,弁護士が取り扱う事件のうち,証人尋問まで至るケースは,実はとても少ないです。

 統計をとっているわけではありませんが,受任した事件の1割~2割程度しか証人尋問にならない印象です。

 証人尋問は訴訟の終盤に行う手続であるため,そこまで至らず解決している件が非常に多いということです。

法廷

 まず,受任した事件のうち6割程度は,訴訟になる前に解決します。話し合いや調停手続きなどで穏便に解決されます。

 次に,訴訟になっても,うち半分以上は,裁判所の仲介で,尋問前に和解します。

 勝敗が明らかな場合,尋問まで至らず中間的な解決をしたい場合,など色々和解の理由があるわけです。

 このようなわけで,弁護士が証人尋問までするケースは多くありません。

 訴訟なんてどうせ一生に一度だから,テレビドラマでよく見る「証人尋問」を体験したい,と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 でも,尋問する側はまだいいのですが,尋問される側は精神的な負担が極めて重いです。いやな汗もたくさんかきますので,正直,尋問前に和解できるならば和解して頂きたいと言うのが本音です。

 

 

 

投稿日:2014年5月29日 18:27|カテゴリー:弁護士の役立つ情報

著作権の帰属について

 ソフトウェアの開発会社が注文を受けてコンピュータープログラムを開発する際,発注者にプログラムの著作権が帰属する,という契約書が作成されることがあります。

 発注者としては,こちらがお金を払うんだから,自分がプログラムに関する権利を全て取得するのが当然だと理解し,このような契約書を取り交わすのでしょうが,そのような著作権の帰属条項は無効になる可能性が高いです。

 というのも,著作権法17条1項では,著作者が著作権及び著作人格権の原始的な帰属主体とされています

 つまり,プログラムを開発した開発会社が著作者である以上,開発会社が著作権及び著作人格権の原始的な帰属主体となるわけです。

 そして,著作権法17条1項は強行規定ですから,これと異なる内容を契約しても無効となってしまいます。

 したがって,上記のようなプログラム帰属先に関する規定は無効になる可能性があるわけです。

ノートパソコン

 そうすると,発注者としては,どのような契約書にしておけば権利を確保できるでしょうか。

 それは,著作権を開発会社から譲渡を受けるとともに,開発会社が著作人格権を行使しないという特約を結んでおくことです

 このような特約を結べば,開発会社に帰属した著作権や著作人格権について,発注者が自由に活用できることになります。

 このことは,開発会社が下請会社にプログラム開発を委託した場合もほぼ同様(解釈によっては,直接開発会社に帰属するという考え方もありますが。)ですので,同様にきちんと特約を結んでおくと良いです。

 

 

投稿日:2014年5月22日 15:26|カテゴリー:弁護士の役立つ情報, 最近の法律問題

刑事弁護人とは

 PC遠隔操作事件で,ついに片山容疑者が,一連の犯行を自供しました。

 真犯人メールを偽装したのが墓穴になりました。

 この事件では,刑事弁護人が強く無罪を訴え続けていたことから,一部のメディアでは,刑事弁護人を揶揄する表現も見られます。

 たしかに,真犯人を無罪にすれば被害が拡大する可能性があったですし,嘘を見抜けなかったというのも情けない話ではあります。

 しかし,刑事弁護人は,被疑者・被告人の言い分を徹底的に裁判で訴えていくことが職責であり,その職責をきっちりこなしたのであれば,批判される謂われはありません。

 江戸時代のお白洲から脱却するために,刑事弁護人は必要不可欠な存在であり,嫌でも誰かがやらなければならない重要な仕事なのです。

 微々たる報酬で全力で職責を全うした刑事弁護人を揶揄する気持ちには到底なれないわけです。

クビ宣告

 

投稿日:2014年5月21日 16:17|カテゴリー:刑事事件, 弁護士の役立つ情報

隣の土地からの土砂流入

 地方の土地だと,きちんと造成がされておらず,手つかずの崖が含まれる土地があります。

 こうした土地はリスクがあるので,購入には慎重になった方がよろしいです。

 というのも,その崖から隣地に土砂が崩れ落ちたり,隣地から土砂が流入しないように擁壁の設置を求められたときに,思わぬ負担が発生するからです。

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 自然のままの崖であるからと言って,自己の所有物が隣地の住人に迷惑をかけてよいわけがありませんから,崖から隣地に土砂が流れ出た場合には,隣地所有者から,土地所有権に基づく妨害排除請求がされてしまいます

 また,未だ土砂が流出していなくても,台風等で土砂が流出する高度の蓋然性がある場合には,妨害予防請求がされることになります

 崖崩れの防止工事はかなり高額になってしまう可能性があるため,崖がある土地を購入することは大きなリスクがあります。

 値段が安いからと言って飛びつかずに,慎重に土地を選んで頂きたいと思います。

 

投稿日:2014年5月01日 17:05|カテゴリー:弁護士の役立つ情報

本が定価より安く買える場合(独占禁止法のはなし)

 皆さんもよくご存じのとおり,日本では本の定価が決まっていて,原則として定価より安い値段で買うことができません。新聞等も値段が決まっていますね。

 これは,日本では著作物について再販売価格を拘束することが許されているからです。

 「再販売価格の拘束」というのは,メーカーが,自分の商品の販売価格を卸売業者や小売業者に指示し,それを遵守させる行為を指します。

 独占禁止法2条9項4号イ,ロでは,こういった再販売価格の拘束をしてはならない旨の規定があります。

 ですから,あらゆる製品は,原則として,メーカーが定価を決めて業者に販売価格を守らせるようなことは許されないのです。

 そのため,メーカーが価格を表示する場合も「メーカー希望小売価格」というように,「あくまで希望に過ぎませんよー,うちとしてはこの価格を強制してませんよー。」とアピールしているわけです。

買物をするところ

  このように,独占禁止法上,原則として,再販売価格の拘束は許されないこととされているのですが,これには重大な例外があります。

 すなわち,著作物および公正取引委員会の指定を受けた商品については,独占禁止法の適用が無いことになっています。

 たとえば,書籍・雑誌・新聞・音楽ソフトやタバコが独占禁止法の適用除外を受けています。

 このため,皆さんが本を買うときは定価で買うことが事実上強制されているのです(なんでこれらの商品だけ適用除外にされているのか,批判がされてます。)。

 もっとも,独占禁止法23条5項では,各種協同組合はこの再販契約を遵守しなくてもよいと規定されていますので,大学の生協などでは本が安く買えます。このような団体には例外的な取り扱いがされているわけですね。

 弁護士会の本屋は定価の7%引きになっていますが,お客が弁護士協同組合員しかいないことを前提に割引を受けられているのです。

 「原則」の,「例外」の,「そのまた例外」,で本が定価よりも安く買えるわけですが,法律ってほんとややこしくて複雑だなあと感じますね。

 

投稿日:2014年4月24日 17:55|カテゴリー:弁護士の役立つ情報, 最近の法律問題

会社の負債と連帯保証

  安易に連帯保証人になることがどれだけ怖いことかは,皆さんよくご承知だと思います。

 もっとも,銀行から会社が事業資金を借りる場合には,必ず代表者が連帯保証人となるよう求められるので,この場合は連帯保証人になることを避けることはできません。

 問題は,代表者が会社を退いた場合です。

 代表者が会社を退くと,代表者は当然に連帯保証を免れるでしょうか。

 たしかに,退任した代表者は会社の経営を行うことができませんから,会社債務を全額連帯保証させるのは酷なことかもしれません。

 しかし,連帯保証契約は,銀行と代表者個人とが締結した契約なので,代表者個人の一方的都合で連帯保証契約が無効になることは不当です。

 したがって,代表者が会社を退いても,代表者は連帯保証人のままであるというのが原則です。

 もちろん,銀行としては,新しい代表者を連帯保証人としたいのが一般的ですから,連帯保証人の変更に応じることがあります(あくまで連帯保証人変更が銀行の義務になる訳ではありません。)。

 よって,代表者を退任される方は,ただちに連帯保証人変更協議を銀行側と行う必要があります。

 以前,息子に譲り渡した会社が債務超過になって倒産するときに,父親も一緒に倒産手続をとらざるを得なかった,という事案がありました。

 このような共倒れは絶対に回避したいものです。

 

疑問を持つ人

投稿日:2014年4月17日 17:06|カテゴリー:弁護士の役立つ情報, 破産債務整理

結局出てきた預金

 今年1月に、かなり以前預けていた銀行預金通帳を、合併後の新銀行の通帳に切り替えようと思い、支店へ行きました。

 それ以前、事務員さんに代わりに行ってもらったところ、本人に来てもらって下さいと言われました。

 その日には1時間以上待たされたあげく、今日中には無理なので、後日連絡します、と言われました。

 数日後、銀行から連絡が来て、「貴方の定期預金も普通預金も2003年9月22日解約払戻されており、残高はありません。」と言われました。

 大変驚きました。通帳も印鑑も持っているし、銀行窓口に行ったこともないので、誰かが紛失届を出して解約したのかとも思いました。

 しかし、諦めるにしては少なくない金額でしたので、再度解約払戻したときの伝票などを確認して欲しい、と伝えました。

 ところが、それからしばらくして、定期預金も普通預金もありました、と連絡がありました。合併などがあったし、古い預金なので、辿るのが難しかった、との説明でした。

 また、店頭まで来て下さいとのことで、またまた出向きました。その場では、新通帳がこうふされず、かなりの日にちが経って、やっと昨日届きました。

 それにしても、なぜ解約された、と伝えてきたのかという理由については、説明がなく、謝罪もありませんでした。

 疑問を持つ人

 

投稿日:2014年4月10日 13:40|カテゴリー:弁護士の役立つ情報, 随筆・雑文

ゴルフ場での事故

 たまにある裁判例なのですが,ゴルフ場での事故にまつわる裁判がありました(岡山地裁H25.4.5判決)。

 皆さんもよくやるゴルフの話なので,ちょっと取り上げてみたいと思います。

 

 「ベテラン」のゴルフ仲間同士がキャディさん付きでラウンドしていました。

 ところが,仲間の1人が打った打球がシャンクし,前を歩いていた人の左目にあたってしまいました。

 その結果,被害者は失明していました。

 被害者が加害者よりも前にいたのは,先に打った被害者が,早く打球の行方を見に行きたかったためでした。

アイアンショット

 

  被害者は,①加害者,②キャディ,そしてキャディの使用者である③ゴルフ場会社を訴えました。

 それぞれの責任の根拠として被害者が挙げたのは次の点でした。

 ①加害者:前方に被害者がいるのに十分な安全確認をしないままに打った過失

 ②キャディ:前方に被害者がいるのに注意喚起しなかった過失

 ③ゴルフ場会社:キャディの使用者責任

 判決では,被害者にも不注意があったということで,

 被害者3割,加害者6割,キャディ1割(会社も同じ)の過失割合だと認定して,4408万7502円の損害賠償を認めました。

 法廷

 ちなみに加害者とキャディ,会社は,一緒に被害を与えたものとして「共同不法行為者」と言います。

 通常,裁判では共同不法行為者間の過失割合を明言しないことが多いです。

 それは,共同不法行為者間では,めいめいが全額損害賠償責任を負うことになるからです。

 全額負担する以上,求められた裁判の中ではその過失割合を論じる必要が無いのです。

 しかし,それだと,後日,加害者とキャディ(ゴルフ場会社)とで誰がどれだけ負担するべきか,もめます。

 上記判決のように割合を書いてもらえれば,話し合いが容易になるので,裁判所はちょっとの手間を惜しまないでほしいものですね。

 

 

 

投稿日:2014年4月03日 10:31|カテゴリー:弁護士の役立つ情報, 最近の法律問題

株式の内容は株式ごとに変えられる

 平成26年2月19日,東京証券取引所が,複数議決権方式を利用したCYBERDYNE(株)の新規上場を承認しました。複数議決権方式の会社の上場は日本で初めてだということです。

 CYBERDYNE(株)は,身体機能を改善させるサイボーグ型のロボットを発表した会社として有名です(http://www.cyberdyne.jp/products/HAL/index.html)。メディアにも結構取り上げられ,注目も高いです。

 具体的に同社にはどのような議決権が存在するか,ですが,①上場する株式の方の議決権と,②上場しない株式(B種類株式)の議決権が,1:10なのだそうです(つまり,②の株式が①よりも10倍の議決権を持つということです。もっとも,配当は株式数に応じて平等だそうです。)

 このように,会社の株式について複数の内容を認めることは,会社法上認められており,非上場の小規模な会社においては,色々と活用されてきました。

 たとえば,私が経験したある事案では,ある人物の株式(株式数は全体の90%もありました。)だけ定款変更により議決権を完全に無くしてしまい,その人物の相続人が議決権を行使できない状態にされていた,というものがありました。

 この会社では,残り10%の株式を保有する人物が会社経営を支配することができます。被相続人としては,相続人に是が非でも会社経営をさせたくなかったのでしょう。

 このような極端な内容の株式も,株主たちがいいと言うならば,自由に作り,普通の株式と併存させることができます。

共同出資

 ただ,上場している会社の場合は,多数の関係者が株式を取引するので,内容が異なる株式がいくつもあると混乱のもとです。よって,東証は,議決権の内容が異なる株式が発行される会社についての上場を禁じていました。その規則が2008年に改正され,上場が許されるようになったのですが,ようやく今回第1号が出たのです。

 今後,このような複数議決権方式の会社の上場がどれだけあるかは分かりませんが,柔軟な資金調達の見地からは,望ましいことです。

 

投稿日:2014年3月27日 11:33|カテゴリー:弁護士の役立つ情報, 最近の法律問題

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