賃貸物件の管理~物件を貸す際に行うこと
私は,建物賃貸を業としている会社に勤めていますが,退去する賃借人に原状回復を求めると,よく「借りた当初から汚れていた,壊れていた」と主張され,困ることがあります。どうしたら良いでしょうか。
1 結論
借りる前の部屋の写真を撮影したり,賃借人から最初に部屋の汚損や器具の破損の有無について確認書をとるなどして,トラブルを防止しましょう。
2 理由
基本的に,賃借人は,借りた物件が破損・汚損していたらこれを元通りにして賃貸人に返還する義務があります。
これを原状回復と言いますが,「元」がどうであったかが争いになると水掛け論となり非常に面倒なことになります。
したがって,当初の部屋の状態を写真におさめるか(もちろん,日付が写真に入るようにして下さい。),賃借人から部屋の汚損や器具の破損が無い旨の立会い確認書をとるようにして,後日の紛争を防止する必要があります。
高額な賃料の物件ほど,争点が多くなりますので,きちんと事前の対応をする必要があります。
貴社がこのような体制を一旦とるだけで上記のようなトラブルは無くなると思います。
以上
※本記載は平成24年5月31日現在の法律・判例を前提としていますので,その後の法律・判例の変更につきましてはご自身でお調べ下さい。
※記事が書かれた時点の法令や判例を前提としています。法令の改廃や判例の変更等により結論が変わる可能性がありますので、実際の事件においては、その都度弁護士にご相談を下さい。