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名古屋の弁護士Q&A

契約を結ぶなら「終わらせ方」もセットで ―中途解約条項と期間設定の重要性―

当社では、新規事業のためにコンサルタントを依頼しました。また、これとは別に新規事業のために社用車用に駐車場10台分を契約しました。いずれもあまり契約書の内容を吟味せずにサインしてしまったのですが、いざ始めてみるとコンサルタントの能力が期待外れでしたし、駐車場も予想に反し不要になってしまいました。

すぐに解約したいと別々に申し出たところ、双方とも「契約期間が終わるまでは解約できない。」と断られてしまいました。契約書に中途解約の条項が無い場合、あきらめるしかないのでしょうか?

ご回答

契約締結時の「高いテンション」のままサインするのは禁物です。出口(解約)のルールが決まっていないと、期待外れのサービスにコストを払い続けるリスクが生じます。

1 「出口」を忘れる契約時の心理

よく相談を受けるのですが、契約を締結する際、多くの方は「やめるときのこと」をあまり意識していません。新規プロジェクトの開始時などは、期待感から気持ちが盛り上がっており、わざわざ「失敗して解約する状況」を想定したくないのが人情でしょう。

しかし、弁護士のもとに持ち込まれるトラブルの多くは、「やめたいのにやめられない」、あるいは「解約時に法外な違約金を請求された」というものです。契約書にサインする前に、一呼吸置いて「出口のチェック」をすることが不可欠です。

2 中途解約条項がないとどうなるか?

原則として、契約書に「中途解約できる」という規定(中途解約権)がない場合、期間満了まで一方的に解約することはできません。

相手方が合意してくれれば別ですが、そうでなければ残期間分の料金を請求されたり、損害賠償を求められたりするおそれがあります。

なお、民法上、コンサルタント契約のような「準委任契約」は、本来いつでも解除できるのが原則です(民法651条1項)。しかし、ビジネスの実務では「期間内の解約不可」や「解約時は残金を支払う」といった特約が規定されることが一般的です。駐車場契約についても、期間の定めがある場合、特約がない限り一方的な解約は困難です。

3 「サービスの質」を契約に盛り込む

もし解約条項がない場合でも、相手方のサービスが著しく悪い場合は「債務不履行」を理由に解除できる可能性があります。

ただし、単に「期待外れ」というだけでは不十分です。これを避けるためには、契約時に「どのような品質のサービスを期待しているか」を具体化しておくべきです。月に何回のミーティングを行うか、どのような成果物を提出するか。これらが明確であれば、実行されない場合に「約束違反」として解約の交渉を進めやすくなります。

4 有利な契約締結のためのアドバイス

契約を締結する際は、以下のポイントを必ず確認し、必要であれば修正を求めましょう。
・中途解約の可否:「○ヶ月前の予告により、いつでも解約できる」といった条項があるか。
・違約金の有無:解約時に残期間の料金を支払う必要がないか。
・口約束の排除:営業担当者が「いつでもやめられますよ」と言っても、契約書に「解約不可」とあれば、書面が優先されます。

5 適切な解決のために

契約書は「隅から隅まで見る」のが基本ですが、特に「期間」と「解除」の項目は死守すべきポイントです。

すでにトラブルになっている場合は、契約書の文言を精査することで、解除の糸口が見つかるかもしれません。大きな金額が動く契約については、サインする前に一度弁護士にリーガルチェックを依頼することをお勧めいたします。

月刊東海財界2026年4月号掲載

※記事が書かれた時点の法令や判例を前提としています。法令の改廃や判例の変更等により結論が変わる可能性がありますので、実際の事件においては、その都度弁護士にご相談を下さい。

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