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片岡法律事務所
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名古屋の弁護士Q&A

カルテを医院に要求したところ、「出せない」と言われました。どうしたらいいですか?

以前から内科に通院していましたが、慢性胃炎ということで薬をもらって通院を続けていました。

しかし、一向に良くならず、現在の状況や、今後の治療についても説明がありませんでした。他の病院で受診したところ、ステージ3の胃癌と診断され、発見遅れの医療ミスを疑い、弁護士に相談しました。

その弁護士から、これまで掛かっていた医院のカルテをもらって来て欲しい、と言われ、医院に要求したところ、「出せない」と言われました。どうしたらいいですか。

ご回答
私は、うつ病を発症して退職に追い込まれた案件を担当したことがありますが、うつ病になった原因が、勤務先上司のパワハラであることを立証するために、カルテ等の診療記録が必要となりました。
そこで、依頼者に頼んで、カルテ等の開示申請をしてもらったところ、断られたため、私の方から病院へ連絡して、開示義務があることの説明をしてコピーしてもらったことがあります。

最近でも、患者さんが病院にカルテ等をコピーしてほしい、と申請したら、弁護士から開示申請書面を出して欲しいと言われました。やむを得ず開示申請書面を送ると、病院の事務長から、コピーするのに1枚100円かかる、と言われました。高いとは思いましたが、了解したところ、今度は、「コピーを取っている手間が大変なので、原本を送るから、そちらでコピーしてくれ」と言われて、原本を送ってきた病院があり、驚きました。

私の顧問先医院でも、このような開示請求への対応を取り決めた規定を作成したことがあります。

そもそも、医療機関は個人情報保護法25条1項によって、患者本人からの診療記録の開示請求に応じる義務があります。この規定に違反した場合、厚生労働大臣から開示の勧告・命令を受けることがあり、その命令に違反した場合、6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せられる場合があります。

平成15年9月12日付の各都道府県知事あて厚生労働省医政局長通知においても、医療従事者等は、患者等が患者の診療記録の開示を求めた場合には、原則としてこれに応じなければならない、とされています。
また、「第2版 診療情報の提供に関する指針」(日本医師会雑誌 第128巻・第10号 平成14年11月15日発行[付録])によれば、「医師および医療施設の管理者は、患者が自己の診療録、その他の診療記録等の閲覧、謄写を求めた場合には、原則としてこれに応ずるものとする。」と規定されています。

ここまで説明しても開示に応じない場合、各県の医師会の相談窓口で、このような状況を説明すれば、対応してもらえると思います。
さらに、裁判例としても、診療契約に付随する義務として、診療記録等の開示義務を認めたものがあります(東京地方裁判所 平成23年1月27日 判決)。また、上記義務に違反したことを理由に慰謝料請求を認めた判決もあります。

月刊東海財界2020年8月号掲載

患者の診療を拒否できる場合

患者の診療を拒否できる場合
私は,10年前に地元で開業医を始めましたが,あるお客が「誤診があった。」と言いがかりをつけ,何度も病院に来ては,看護婦や事務の者に暴言を吐いて,やめて下さい,と依頼しても聴こうとしません。
このお客を出入り禁止にしたいと思いますが,可能でしょうか。

1 結論
慎重に判断する必要が有りますが,可能な場合があります。

 

2 理由
原則として,医師には,応召義務があります(医師法19条1項)。
すなわち,「診療に従事する医師は,診察治療の求があった場合には,正当な事由がなければこれを拒んではならない。」と医師法19条1項に規定されています。
この義務に反すると,悪性が高い場合は,民事上の責任や公法上の責任を問われる可能性もありますので,慎重に判断する必要が有ります。
但し,暴言の程度や内容で従業員を過度に萎縮させたり,他の患者さんを萎縮させるような行動が反復され,制止も聞き入れないような場合には,威力業務妨害とも言うべき状況ですから,「正当な事由」があるとして,診療を拒絶することも不可能ではないと思われます。
弁護士とご相談の上,院内への立入を禁止を求める仮処分命令の申立をご検討されても良いと存じます。

診療情報の研究利用

病院内で、部外者のいない研究会を開き、実際の症例を発表してもよろしいですか?
また、学会発表やホームページへの掲載はどうしたらよいですか?

まずは、院内において、個人情報をそのようなことに使用する旨
公表しておく必要があります。
これは、利用目的の明示です。

 

その上で、
第三者提供は原則として本人の同意無くしては不可ですので、
院内での利用はともかく、
学会発表やホームページへの掲載については、
患者さん本人の同意を得るか、
個人の識別情報を外して公表する必要があります。

 

外すべき個人の識別情報についてですが、
氏名・住所はもちろん、入院番号も記載不可です。
なお、
疾患の発生場所については県単位なら可。
臨床経過のために年月日を書くことは特定につながらなければ可。
顔写真は目は隠す。目だけなら、顔全体が分からないようにすれば可。
です。

 

個人情報保護法施行に伴って厚生労働省は病院向けのガイドラインを作成していますので参考にして下さい。

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