インターネット掲示板への困った書き込み
先日,従業員から報告があり,インターネット上の掲示板に我が社の商品について欠陥があるとの書き込みがされていることをつかみました。しかし,これは全くの嘘であり,書き込みをした人間に対して損害賠償を請求したいと思います。書き込みをした人間を調べることはできますか。
1 結論
ちょっと手間がかかりますが,調べることは可能です。
2 理由
まず,インターネット上の掲示板を管理する管理者に対して,当該書き込みをした人間のIPアドレスとタイムスタンプの開示を請求します。
最高裁は,このような開示請求を近時認める旨の判決を下しました(平成22年4月8日判決)。
こうしてIPアドレスとタイムスタンプの開示ができたら,次に当該IPアドレスを管理するプロバイダに対して,IPアドレスに対応する氏名・住所を照会します。
これによって,書き込みをした人間を特定することが可能になります。
各情報の開示の請求にあたっては,ガイドライン付属の書式による方法,弁護士からの照会がありますが,管理者やプロバイダ側が任意に開示しない場合は,訴訟といった方法をとることも可能です。
※記事が書かれた時点の法令や判例を前提としています。法令の改廃や判例の変更等により結論が変わる可能性がありますので、実際の事件においては、その都度弁護士にご相談を下さい。