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非典型的な交通事故と過失割合その1

非典型的な交通事故と過失割合その1
私は普通乗用車を運転していましたが,前方を走行していた乗用車がセンターラインに寄っていくので,右折するかと思い,左側から追い抜こうとしました。
そうしたところ,ウィンカーも出さずに前方の車が突然左折したため(左にはコンビニの駐車場がありました。),避けきれずに前方車の左側面に衝突してしまいました。
前方車の運転手は,追突だから私が100%悪いと言いますが,変な動きをした前方車にも過失があると思います。
この場合の過失割合は何割くらいなのでしょうか?

1 結論
3割から4割程度の過失が相手方に認められる可能性があります(こちらは6割から7割の過失となる可能性があります。)。

 

2 理由
一般的に,追突の過失割合は100%です。
しかし,道路交通法34条では,
「車両は,左折するときは,あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り,かつ,できる限り道路の左側端に沿つて(道路標識等により通行すべき部分が指定されているときは,その指定された部分を通行して)徐行しなければならない。」
と規定されており,本件のような大回り左折は許されていません。
あまり右側に寄っていたのだとすると,右折するように思われて左方を追越しされることも予見できるのですから,左後方も十分に確認の上,左折すべきです。
もっとも,後続車は,前方車の挙動に注意すべきですから,どちらかというと,後続車の過失割合の方が大きくなります。

 

3 判例
横浜地裁川崎支部 昭和53年12月22日判決(自保ジャーナル・判例レポート第27号-No,8)では,センターライン寄りにふくらんで左折した加害車に追随中の被害車が衝突した事案につき,左折合図を見落した被害車に3割の過失相殺を適用しています。

※記事が書かれた時点の法令や判例を前提としています。法令の改廃や判例の変更等により結論が変わる可能性がありますので、実際の事件においては、その都度弁護士にご相談を下さい。

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