テレビガリレオの第7話犯人の動機
現在,視聴率20%代をキープしている東野圭吾原作のテレビガリレオの第7話で,相続が犯人の動機になる場面がありました。
父,母,子の3人家族で,父母が何者かに殺害された状態で発見され,発見時には,先に父が殺害されその後に母が殺害されたような物的状況となっていました。
真相は,父が母を殺害した後,自殺したというものなのですが,犯人(子)は,その死亡順序を父→母に偽装したのでした。
偽装の動機について,子供が母の連れ子で,父と養子縁組をしていなかった事実が明かされます。
もし,母→父が死亡順序だと,父の遺産は,養子縁組していない子には相続されません。しかし,父→母だと,父の遺産は母に相続された後,連れ子に相続されることになります。
これはミステリーで定番の法的知識でもあり,謎解きの前におおよその筋が分かってしまいました。
ミステリーのトリックを見抜くとすぐに人に喋ってしまいたくなるのが人情ですが,一緒に見ている家族のためにはぐっと我慢しなければいけませんね(笑)。
ちなみに,興醒めなことを申し上げると,この件だと,連れ子は,母の父に対する損害賠償請求権を取得し(殺されたため),これを相続することになりますから,実質的に父の遺産の一部を取得できることになります。
そこまで調べてもらえると,我々弁護士としても,「よく勉強しているなー。」と思えるのですが,さすがに言及はありませんでした。