大家に有利な特約はどこまで有効か
建物賃貸借契約においては,賃借人からの保証金や敷金返還請求に対し,これまで消費者保護法を根拠として賃借人を保護する裁判例が続いていました。
しかし,最近は,行き過ぎた賃借人保護を是正するような判例が続いている印象です。
たとえば,平成24年7月5日の東京地裁で下された判決では,更新料を賃料の約1か月分とする特約,明渡しを行わないときの賃料倍額特約,特別損害が発生した場合の賃料倍額金に加えて別途特別損害金を請求できる特約の効力を消費者契約法にてらして有効と判断しました。
たしかに,この程度の特約はありふれており,賃借人にとってあまりに不利とまでは言えないと思うので,無効としなかった点は評価できます。
どの程度大家に有利な特約を入れられるかの基準となる判例だと思います。
投稿日:2013年3月15日 09:55|カテゴリー:弁護士の役立つ情報