振り込め詐欺に対する有効な対抗策
振り込め詐欺の被害については,広く社会に認識されるようになっているので,なぜ未だに無くならないのか,疑問に思われる方もいらっしゃると思います。
しかし,詐欺の手口は日々巧妙化しており,金融庁とか弁護士などの肩書きを名乗られたり,何人もの人間から責め立てられるように電話が入ってくると,一人暮らしの高齢者は指定された口座に振り込んでしまうのです。
基本的に一旦振り込んでしまうと,取り戻すことはほぼ不可能ですが,唯一,「少しは」有効と思われる回収手段があります。
それは,銀行振込を利用した犯罪行為(例えば、振り込め詐欺やヤミ金融など)の被害者から依頼を受けた弁護士が,所定の書式で,振込先銀行にFAXを入れ,振込先銀行において当該口座を凍結してもらい(必ずではないですが),しかるべき手続を経て,凍結口座の預金を分配してもらえるという制度です。
振り込め詐欺等の被害者の財産を守るためには,振り込んだ預金口座を一刻も早く凍結させることが必要ですが,おそらくこの方法が最も迅速ではないかと思います。しかし,一般に相談頂くのが,被害後数日を経過していることが多いので,空振りに終わることが多いのが実情です。もう少し早ければ,と,無念でなりません。