診療情報の開示を求められたら
患者さん以外の第三者から,「患者さんの診断書を作成してほしい」とか,「患者さんの診療情報を教えてほしい」と依頼された場合,どう対応したら良いでしょうか。
- 家族だからと言って当然に開示していいものではありません。
たとえば,その第三者が患者さんの家族だったとしても,診療情報は個人情報の最たるものですから,患者さんの同意なしに開示してよいものではありません。
このように原則として患者さんの診療情報を第三者に開示してはならないことをよく覚えておいて下さい。
ただ,そのような杓子定規だと,実務的に業務が滞るということであれば,患者さんの開示に対する反発や開示の必要性などを慎重に判断し,自己責任で開示して頂ければと思います(決して開示をおすすめしているわけではありませんので注意して下さい。)。 - できれば同意書をとって下さい。
患者さんからの同意ですが,口頭での合意でも構いませんが,慎重を期するならば同意書をとった方が無難です。患者さんに説明するのが大変であるならば,開示を要求した方に対して,患者さんから同意書をとるよう要求しても良いと思います。 - 患者さんに理解能力が無い場合
たとえば,家族から,患者さんについて成年後見の申立をしたいから,診断書を作成したり,診療情報を開示してほしいと依頼がされることもあるかもしれません。
この場合,患者さんが意識不明であったり,痴呆で理解能力が無い場合には,その必要性を慎重に判断して開示しても良いでしょう。
しかし,患者さんの理解能力がほぼ正常だと思われる場合には,まずは患者さんの意思を確認するべきです。
当該家族に,患者さんの同意書を取り付けるよう,促すのが穏当だと言えます。